英文法 「時制」の質問と回答

PR

現在完了とbefore

 

Q:あきひろさん

 

久しぶりの質問になります。本日の問題の
43. I (  ) read the book before, but I hardly remember what it is about.
(1) may (2) can't have (3) may have (4) should have
 の解答が3になっていましたが、「読んだはずであるが〜」と考えて、4でも可能ではないですか?

 

 ↓
 ↓
 ↓

 

A:オッハー(管理人)

 

あきひろさん、ご指摘ありがとうございます!
should have 過去分詞には、「〜すべきだったのに」の他に「〜したはずだ、〜してしまったはずだ」の意味がありますね。
ご指摘いただき、たら〜と冷や汗が出てきました。
あきひろさん、ありがとうございます!
このような紛らわしい選択肢にしたことをおわびいたします。
作成時には「〜すべきだったのに」の意味しか考えていませんでした。
今日のお昼に「訂正」のメールを流します。
今後ともよろしくお願いします。

 

RE:Emanonさん

 

正解とされる語を補った:

 

I may have read the book before, but I hardly remember what it is about.

 

についてなのですが,but 以下とのつながりという点で,この before の使い方に疑問があります。

 

 

"before" は「今」を含まないのが普通です。

 

ウィズダムからの引用ですが,

 

> Haven't I seen you somewhere before?
> どこかでお会いしたことがありませんか
> (相手と知り合いになりたいときの常套句としても用いる)

 

をみてもわかりますが,「今」の時点で,二人は当然会っているわけで,その「今」を含まない「以前」のことを before を用いて表現しています。(=今回会っている事実は別にして)

 

同じように,

 

"Has he hit you before?"(以前彼に殴られたことがあるの?)

 

という場合,質問者が見ている相手(you)は,現に「彼」からの暴行を受け,顔がはれ上がっているような状況が想像されます。そういう痛々しい状態を見ながら,「以前にもこんなことがあったの?」と聞いている。(=今回の殴られた事実は別にして)

 

このような before の使い方をふまえると,"I may have read the book before." は,「今」その本を読んでいて(あるいは読み終わって),前にも読んだことがあるかも知れないと言っている可能性が高いように思われます。

 

状況としては,例えば:

 

「私」がある本を読んでいると,友人が現れ,「何を読んでいるの?」と「私」の手から本をとってぺらぺらとページをめくっている。その時「私」が,*「その本,どうも以前読んだことがあるような気がする」とその友人に言う。

 

"I may have read the book before." は,*「 」のニュアンス。

 

だとすると,これに続けて,「何についての本だったかほとんど覚えていない」というセリフは続きにくいでしょう。現に今読んでいる(or今読んだ)本なのですから,「何についての本か」位はわかっていると考えられるからです。

 

このあたり,もしネイティブに質問できるようでしたら,正解とされる英文全体の内容が不自然でないかどうか,確認してみてはいかがかと思います。

 

RE:オッハー(管理人)

 

Emanonさん、レスどうもです!
いつもながら、するどい考察ありがとうございます。
一つ疑問があるのですが、例えば、今その本が手元になくて、その本が話題になっているという状況は考えられないでしょうか。
そして「その本のタイトルは覚えているけど、どういう内容だったか覚えていない」ということはありえないでしょうか。
または before 以下にどのような文がくれば自然につながるのでしょうか。
私も自分なりにもう少し頭の中を整理してみます。

 

RE:Emanonさん

 

オッハーさん,

 

> 一つ疑問があるのですが、例えば、今その本が手元になくて、その
> 本が話題になっているという状況は考えられないでしょうか。
> そして「その本のタイトルは覚えているけど、どういう内容だった
> か覚えていない」ということはありえないでしょうか。

 

その場合は,before を削るか,あるいは once に置き換えるべきではないかと思います。

 

「現在完了+before」の表現では,あることが現に起きていて,そのことをふまえて同じことが前にもあったことを言うことになるわけですから,「正解」の英文では,おっしゃるような状況を想像することは難しいように思います。

 

> または before 以下にどのような文がくれば自然につながるのでしょうか。

 

before を残すのであれば,つなげる英文は,例えば単純に but I don't remember./「しかし(過去に一度読んだことを)覚えていはない」でよいのではないでしょうか。

 

(私は後続の英文に hardly (remember) を使うのにも,ちょっと違和感を感じています。hardly remember は「記憶はゼロに近い。しかしゼロではない」というニュアンスがあるわけで,否定を表すとは言っても hardly は not とは異なります。読んだ可能性に最初に言及し,「しかし」と続け,読んだ記憶がゼロに近いにせよ,一応「ある」ような言い方をするのは,おかしな感じがするのです。しかし,この点は微妙で,まだよく調べていませんので,今回は触れないことにします。)

 

RE:SuLinさん

 

> 「現在完了+before」の表現では,あることが現に起
> きていて,そのことをふまえて同じことが前にもあっ
> たことを言うことになるわけですから,「正解」の英
> 文では,おっしゃるような状況を想像することは難し
> いように思います。

 

それが本当なら I have been there before. も論理的に誤りとなると思いますが、グーグル検索すると

 

"I have been there before" 50,800件

 

比較の為に

 

"I have been here before" 70,000件

 

と出ました。何故でしょう?

 

ネットはノンネイティブのダメ英語も沢山あるから鵜呑みにはできないと思いますが、それにしてもかなりの件数があるし、there と here の件数に大差がないことも不思議です。

 

辞書や参考書に、現に起きていないことに「現在完了+before」は誤りと書いてありましたか?

 

RE:Emanonさん

 

SuLin さん,

 

> それが本当なら I have been there before. も論理的に誤りとなる

 

というお考えですが,お挙げになった英文に即して言えば,私が先に書いた内容は,

 

1)「I have been there before. には I am there now. の意味が含まれている」

 

ということです。このことがどうして「論理的に誤り」となるのでしょう?

 

there --> here とした:

 

2)「I have been here before. には I am here now. の意味が含まれている」

 

になると「論理的に誤り」はないという判断のようですが,これに誤りがないなら,1) も同じように誤りはないはずです。

 

もしや,"I am there now." が問題ということなのでしょうか?

 

Google では,

 

I am THERE now ....14100件
I am HERE now ....110000件

 

ですが,これと何か関係しているのでしょうか?

 

このあたり,何を疑問と感じられているのか,はっきりしません。もう少し詳しく説明していただけませんでしょうか。

 

 

RE:SuLinさん

 

Emanon さん、返信有難うございます。

 

> 1)「I have been there before. には I am there
> now. の意味が含まれている」

 

わかりました。では、I am there now. の意味は何でしょうか?there はある場所を指しているでしょうか?

 

> Google では,
>
> I am THERE now ....14100件
> I am HERE now ....110000件
>
> ですが,これと何か関係しているのでしょうか?

 

"I am HERE now"(110,000件)>"I have been HERE before"(70,000件)
"I am THERE now"(14,100件)<"I have been THERE before"(50,800件)

 

件数が逆転することが不思議です。

 

https://photo.net/bboard/q-and-a-fetch-msg?msg_id=001P7U
にある文です。

 

# Though I have been there before, it was a long long time ago
# when I was in the boyscouts, and I can't remember diddly.

 

についても、I am there now. が含まれていて、現に今も there が指す場所にいるでしょうか?そうならば and I can't remember diddly.(ちっとも思い出せない)と続くでしょうか?

 

話を本を読むことに戻しますが
https://www.dc-pros.com/docs/dl/point/kaki_hyoujun23e.pdf
11 現在完了(2) にある文です。

 

# I have read that book before.
# (私は以前あの本を読んだことがあります。)

 

については、現に今もあの本を読んでいると言うことでしょうか?今読んでいる本を指して that book(あの本)と言うでしょうか?

 

その他の「現在完了+before」になりますが
https://www.gakken.co.jp/CN/teiki_test0101/3nen/eigo_komoku/genkan.html
学研の中3英語のチェックする項目 にある文です。

 

# 3.経験〔(いままでに)〜したことがある〕
# (例)I have visited New York before.
# (私は以前ニューヨークを訪れたことがあります。)

 

については、現に今もニューヨークを訪れていると言うことでしょうか?そうならば、学研の解説では「現在完了+before」について重要ポイントを取り上げていないと言うことでしょうか?そして、和訳も「私は前にもニューヨークを訪れたことがあります。」とするべきでしょうか?

 

https://www.kyo-kai.co.jp/products/pdf/kyouka_E_se.pdf
20 現在完了 93ページ パワーアップ にある文です。

 

# Father has been to China before.
# (お父さんは以前中国へ行ったことがあります。)

 

についても、現に今もお父さんは中国に行っていると言うことでしょうか?そうならば、注にある

 

# Father has already gone to China.
# (お父さんはもう中国へ行ってしまいました→その結果、
# 今ここにいません)= Father went to China. He is not here.

 

と同じ意味も含まれていると言うことでしょうか?そして、同じく「現在完了+before」について重要ポイントは取り上げていないし、誤解を招く例と解説と言うことでしょうか?

 

https://www.kohsoken.co.jp/pdf/web3_ei/3_2.pdf
中3Web 英語(3−2) 2 現在完了の用法 にある文です。

 

# (2) 経験の用法 「〜したことがある」といった経験を表す時
# に用います。
# [例]I have been to New York before.
# (私は以前にニューヨークに行ったことがある。)

 

についても、同じでしょうか?

 

https://w3.daishodai.ac.jp/~koiso/Hogehoge/grammar/jisei.html
大阪商業大学 小磯先生の英語自習教材のページ にある文です。

 

# b. 結果―過去の行為や出来事の現在における結果:
# 「〜してしまっている」
# He has gone to America.
# (今はここにいないという結果に重点がおかれている。
# c. 経験―現在までのけいけん:「今までに〜したことがある」
# I have been to the USA before.
# この経験を表す現在完了には、before, ever, never, once, often,
# twice などの頻度を表す副詞をともなうことが多くあります。

 

についても、同じでしょうか?

 

『辞書や参考書に、現に起きていないことに「現在完了+before」は誤りと書いてありましたか?』も宜しくお願いします。

 

 

RE:Emanonさん

 

SuLin さん,

 

> わかりました。では、I am there now. の意味は何でしょうか?

 

この there のはたらきとして真っ先に思い浮かぶのは,「代用」です。たとえば,これが例として適切かどうかはわかりませんが,"I'm in Tokyo." を now をつけて繰り返すとき,"I'm there now." と言えるはずです。この時の there は「具体的な離れた場所を指でさし示すようなはたらきの there」ではなく,前出の場所を表す副詞句の「代用」の役割をしています。つまり,there = in Tokyo です。

 

これは大きな辞書や詳しい参考書を見れば書いてあることだと思います。詳しくはご自身でぜひ確認してください。

 

> 件数が逆転することが不思議です。

 

このような感想を書く意図は何なのでしょう。件数の多い少ないは,当然,その英文の表す意味によって変化すると考えられます。SuLin さんは,"I am there now." の意味がわからないと書いているわけです。何で意味のわからない英文の件数について「不思議」だといった感想が出てくるのでしょう。

 

以上,before の話題からずれてしまいましたが,本題にもどります。

 

私が説明した「現在完了+before」の意味は,Swan の "Practical English Usage" (PEU) の説明をもとにしています。この本は有名な本なので多分ご存知でしょう。最近改定されたものでいうと,191 の ever の見出しのところで扱われている内容です。例文を引用すると,

 

> Have you (ever) been to Scotland before?
> (The hearer is probably in Scotland.)

 

とあり,"you" が今スコットランドにいる可能性が高いと説明されています。

 

これと比べて,ever のみ(beforeなし)の場合:

 

> Have you ever been to Africa?
> (The hearer is not in Africa.)

 

とあります。こちらは probably がありませんので,可能性の高さではなく,間違いなくアフリカ以外に今いることがわかる表現だということになります。

 

probably があるから「絶対」と言えるレベルの話ではないということも言えるでしょうが,これは「通常そのような意味をもつ」と理解すべきです。というのは,解説に:

 

> _Before_ (or _ever before_) refers to a present event, and askes whether it has happned at another time.

 

とはっきり書いてあるからです。つまり,現在の出来事をふまえて,過去をみわたすのがこの場合の before なんですね。

 

この PFU の説明に従えば,SuLin さんがいろいろあげられた参考書etcの例のほとんどは不適切(ないし不備がある)ということになるでしょう。

 

私はこの Swan の説明を正しいとする立場ですが,もし納得がいかないようでしたら,それらの編集部や著者に対し,「Swan はこう書いているが,…」と典拠を示しつつ,メールなどで直接問い合わせてはいかがかと思います。

 

RE:phongさん

 

疑問文の時には emanon さんのおっしゃるとおりですが、
平叙文で、
I have been there before.
I've been to Russia before.
は、全くありふれた、普通の言い方ですよ。
前者で、there は、話者の今いる場所ではないのが普通だし、後者で、話者がロシアに今いなくても全く普通です。

 

疑問文で、たとえばエジンバラ城を訪れている観光客に、
Have you ever been to Scotland?
と、before なしで問いかけるとちょっと変なのはわかりやすいと思います。
生涯を通じての経験の有無を訪ねる文ですが、問いかけられているその時スコットランドにいるのですから。

 

平叙文の場合、
I've read that book before, but I don't remember anything.
「その本、昔読んだことあるけど、全然憶えてないよ」
で、ごく普通の英語だと思います。

 

横から失礼しました。

 

RE:SuLinさん

 

Emanon さん、Swan の PEU の引用有難うございます。私も PEU は持っていますが、疑問文についてはこれではっきりしたと思います。

 

phong さん、平叙文と疑問文についてのコメント有難うございます。

 

ここからは疑問文についてだけの話にします。

 

> > Have you (ever) been to Scotland before?
> > (The hearer is probably in Scotland.)
>
> とあり,"you" が今スコットランドにいる可能性が高
> いと説明されています。
>
> これと比べて,ever のみ(beforeなし)の場合:
>
> > Have you ever been to Africa?
> > (The hearer is not in Africa.)
>
> とあります。こちらは probably がありませんので,可
> 能性の高さではなく,間違いなくアフリカ以外に今い
> ることがわかる表現だということになります。

 

Swan がスコットランドの例文の解説にわざわざ probably と入れていると言うことは、逆の可能性も肯定していると言うことです。つまり「現在完了+before」となる疑問文では、今起きていることについて以前にも起きたか聞いている可能性が高いが、今は起きていないが以前には起きたか聞いている可能性もあると言うことです。アフリカの例文では ever のみで before がなく、今は起きていない場合に限られることとは対照的であると思います。

 

> > _Before_ (or _ever before_) refers to a present event, and askes whether it has happned at another time.
>
> とはっきり書いてあるからです。つまり,現在の出来
> 事をふまえて,過去をみわたすのがこの場合の before
> なんですね。

 

Swan は ever と before の相違点について、今起きている出来事を指す before (ever before) の用法を解説しているだけで、他の場合の before については解説していないだけと思います。

 

他の参考書や辞書が、疑問文または平叙文について今起きていないことに「現在完了+before」は不適切などと言明しているでしょうか?

 

RE:Emanonさん

 

ご覧になっている方の中には,今までの私の話がよくわからない,と思っている人もいるかも知れません。そこで,ご紹介した Swan という先生が書いている事柄をかみ砕いて,私なりの「わかりやすい」と思える説明を,自分の頭の整理もかねて,書いてみようと思います。

 

まず,日本語で,

 

「これまでの英語のテストで満点をとったのは1人です。」

 

を考えてみましょう。これは,例えば100回のテストが今までに行われ,今回,前回,前々回,…,初回のどのテストかわかりませんが,そのどこかで満点をとった人がいたということです。

 

では,これに「今回を除いて」を加え:

 

「今回を除いて,これまで英語のテストで満点をとったのは1人です。」

 

とすると,どうでしょうか。

 

普通の人は,「今回新たに満点をとる人が出たんだな」と思うのではないでしょうか。

 

理屈からしたら,上の文は単に「今回を除いた99回のテストで満点の人が1人いた」の意味だけです。それ以外のことは書いてないのですから,わかるわけがありません。当然,今回のテストで満点が出たかどうかは誰にもわかりません。

 

ところが,現実にこの文を読んだ人は,「きっと今回満点が出たに違いない」と思ってしまう。おそらく,「わざわざ今回を除いているということは,今回は何か特別なんだろう。きっと満点が出たんだ」といった具合に推理してしまうのでしょう。しかも,その推理はほとんど当たっているし,大概言う側もそのつもりで言っている。

 

この話に「なるほど」と頷いてもらえるのであれば,同じように「現在完了+before」も理解してもらえると思います。

 

例えば,

 

"I have been to Africa." (私はアフリカに行ったことがある。)

 

と言う人がいれば,この人(="I")は今アフリカにはいないでしょう。

 

では,これに before を追加するとどうでしょう。before は「今までに」のことだとされていますが,正確には「今より前」で,「今を除く」という意味が含まれています。そういう言葉を「今までに〜したことがある」という表現にわざわざ付け加え:

 

"I have been to Africa BEFORE." (今を別にして,私はアフリカに行ったことがある。)

 

としたらどうなるか。

 

先に説明した日本語の例で,もう察しがついていると思いますが,「わざわざ『今』を別にするというのは,これはきっとその人(="I")は今アフリカにいるに違いない」という推測が自然と出てくるのです。

 

もちろん,理屈からしたら「今を除く」というだけで,その人がどこにいるのか,絶対確実なことは何もわかりません。「今」のことは何も説明がないのですから,当然です。しかし,before が加わることによって,普通の人(ネイティブ)は「ああ,この人は今アフリカにいるのだろうな」と思うのです。このような推測がはたらくということを Swan 先生は probably という言葉でもって説明しています。

 

では,そういう推測が働かない場合というのは,どんな場合か,ということになりますが,それはもちろん,「文脈が用意されている場合」です。

 

たとえば,もし,「Aさんという人が今日本にいる」ということがわかっていたとします。そのAさんが "I have been to Africa BEFORE."(今は別にして,アフリカに言ったことがある)と言ったとしましょう。この場合,Aさんの居場所はわかっているわけですから,推測のしようがありません。ですから,言っていることは "I have been to Africa (once)." と同じだということになります。つまり,他に用意された文脈があったら,話が変わってくる。

 

このようなケースでは,Swan 先生のおっしゃる推定が出てくる余地はありません。しかし,今考えているのは,「しばり」のない,現在完了+before そのものが持つ純粋な意味です。他に文脈を持たない,ただの "I have been to Africa BEFORE." という文を見せられたら,普通の人はどう理解するか,ということです。

 

Swan 先生は,このことを説明するために,ever を対比させました。ever は皆さんご存知のように,肯定文では使えません。ですから当然疑問文を使っての説明になります。(以下,くどいですが,他に文脈がないとしての話です。)

 

"Have you ever been to Africa?" (アフリカに行ったことがありますか)

 

の ever は,before と違って,すべての時(具体的には at any time)を表しています。もちろん「今」も含みます。すべての時を考えて,アフリカ旅行の経験があるか?と聞いているわけですから,「今」相手の人がアフリカにいたらおかしいでしょう。「今」アフリカにいるとわかっている人に,アフリカに行ったことがあるかなんて質問する人はいないわけです。ですから,この場合,確実に "you" はアフリカ「以外」の場所にいる。

 

ここでもし before を付け加えると,「今を除いて」の意味が加わります:

 

"Have you ever been to Africa BEFORE?" (今を除いてアフリカに行ったことがありますか)
*「今を除いて」は説明の必要上,故意に訳に入れています。普通はこんなことは書きません。

 

こうなると,話しが違ってきます。すでに説明したように,「今を別にするということは,相手の人は今アフリカにいるんだろう」と受け取られることになります。そして,今回の滞在の前にアフリカに来たことがあるかという質問内容になる。この英文だけからしたら,そのような解釈が自然であり当然なのです。

 

before のこのような意味は,「疑問文だから」というわけではありません。肯定文でももちろん同じことになります。どのような文(肯定・疑問・否定)でも,「現在完了+before」の before は「今より前」なのですから。

 

最後に,オッハーさん,

 

オッハーさんの用意した英文の "I might have read the book before..." についてですが,これは後ろに続く but I hardly remember what it is about. によって「逆に」助けられ,ネイティブが before に違和感を感じないということがあるかも知れません。つまり,後続の英文で,今読んでいるわけではないのが明らかにわかるので,before でもかまわないかも知れないと思えてきたということです。今回,自分の考えを整理しつつ,文脈が大きいということに気づき,問題ないかも知れないという気がしてきました。

 

しかし,できるなら,しかるべきネイティブに質問して,チェック・確認してみたほうがよいと思います。このことは再度お勧めしておきたいと思います。
----------------------------------------------------------------

 

Swan 先生が書いていらっしゃることは、わざわざ「かつて、以前」と口にされる以上は、それに対応する現在の出来事や状況があるはず、ということだと思いますが、
I've read the book before, but I don't remember anything.
という場合、「かつて読んだ」と「現在は憶えていない」が対応しているので、Swan 先生のおっしゃることと全く矛盾していないと思います。

 

もう一つは、現在完了形は意味の上で、「完了」「結果」「継続」「経験」の4つの用法がある、とされており、こういった説明をうっとうしく思う方もいらっしゃることと思いますが、この分類もあながち役に立たないものでもなく、どこかで読んでなるほどと思ったのは、経験を問う場合のおきまりのパターン、Have you ever ...? が、経験を問うているのだとはっきりわかるのは、ever のおかげだという指摘でした。ever なしでは、場合によっては何を問うているのか、区別しがたくなってしまうからです。平叙文であっても、before などの副詞をつけることで、同様の曖昧さを回避できるということも、考えに入れておくといいと思います。

 

RE:オッハー(管理人)

 

Emanonさん、SuLinさん、phongさん、貴重なご意見をありがとうございました!
before の用法について、ネイティブの感覚はどうなのかを質問して、その結果をまたお知らせしたいと思います。

 

RE:?さん

 

No.2090?phong さんの,

 

> I've read the book before, but I don't remember anything.

 

について。(他に文脈がないとして)

 

現在完了とは,過去にあったこと/起きたことが,現在と関わっていることを表す表現法です。

 

参考書などで扱われている説明としては,

 

"I have broken my leg."

 

と言ったら,この人は「今」,足を引きずっているに違いない,とか,痛みが残っているんだろうな,といった推測を可能にします。

 

つまり,過去に足を折ったという事実が,「現在」と何らかの深い関わりをもっている,「現在」に影響を及ぼしている,ということです。これが現在完了の特徴的意味で,単なる過去時制との違いです。

 

過去形で単純に "I broke my leg."(足を折った)としたら,これは「今」と無関係になり,足は完治して,今はぴんぴんしているだろうという推測ができます。

 

ですから,"I have read the book." と現在完了で表現したら,たとえば,その人は本(the book)から何らかの知識を得て,今もそれが活きているだろうということが想像できることになります。つまり,内容について記憶があると考えられる,ということです。

 

ですから,この表現に続けて,「何も覚えていない」という内容が続くのは,少なくとも自然な流れとは言えないということになります。読んだけれど覚えていないと言いたいなら,「読んだ」の部分は "I read the book." と「単純過去」を使うのが筋なのではないのでしょうか。

 

オッハーさんの提示した英文は,may have read で,may があることにより,過去の可能性の話になっています。つまり,読まなかったかも知れないということも含んでいるので,話が違ってきます。

 

 

 

英文法の問題と回答・解説を無料で提供!
⇒ 無料メルマガ「最強の英文法」

 

メルマガの内容をまとめたモバイルサイト!
⇒ モバイルサイト「最強の英文法」

 

英文法問題や質問・回答をまとめたレスポンシブサイト!
⇒ レスポンシブサイト「究極の英文法」

 

 

 

 
ページ最上段右の検索窓でサイト内検索!
スマホはページ最下段に検索窓があります。

 

 英文法の質問と回答のトップページに戻る

PR

関連ページ

have been dyingはだめなのか?
英文法の「時制」の質問と回答を掲載しています。
あなたのお役に立てれば幸いです。
未来完了進行形とは?
英文法の「時制」の質問と回答を掲載しています。
あなたのお役に立てれば幸いです。
dieと完了形
英文法の「時制」の質問と回答を掲載しています。
あなたのお役に立てれば幸いです。
大過去か過去完了か?
英文法の「時制」の質問と回答を掲載しています。
あなたのお役に立てれば幸いです。
現在完了の意味用法
英文法の「時制」の質問と回答を掲載しています。
あなたのお役に立てれば幸いです。
過去と現在完了の違い
英文法の「時制」の質問と回答を掲載しています。
あなたのお役に立てれば幸いです。