英文法単元別質問と回答

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これは倒置なのか?

 

Q:ke_さん

 

こんにちは。いつもお世話になります。

 

倒置文についての質問です。

 

From these humble beginnings was born the Thanksgiving Coffee Company.
(第三回全統マーク模試より)

 

倒置する場合は助動詞が有ればそれだけが前に来ると思っていたのですが、上記の文章ではbornが一緒に前に来ています。
どういう場合にこのような語順になるのでしょうか。

 

よろしくご教授願います。

 

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A:Emanonさん

 

ke_ さん,

 

> From these humble beginnings was born the
> Thanksgiving Coffee Company.

 

というのは,そもそも「倒置文」ではありません。(「倒置文」としての説明もできるかも知れないのですが,ここでは「倒置文でない」という視点でコメントします。)

 

Declerck の "A Comprehensive Descriptive Grammar of English"(翻訳書は『現代英文法総論』)の pp.186-7 によると,副詞的語句が前に置かれて倒置が起こるケースは here/there/in/up/down などに限られていて,それ以外ではめったに起きないもののようです。同書から例を引用しますが,

 

> To this list we will have to add Bill and Susan.

 

のように,"to this list" が文頭に置かれても,we + will と,普通の語順になります。

 

ただし,上と同形の英文でも,主語が長いと話が違ってきて,

 

> To this list must be added a number of other names.

 

と,主語が本来の位置から文末に移されます。

 

これはおそらく,「文末重心の原理」(長い語句は文末へ)によるのでしょう。

 

*主語の文末への移動なので,倒置形のように「主語」+「助動詞」がひっくりかえる形にならないことに注意してください。

 

 

以上をふまえてご質問の英文を見れば,本来は:

 

 From ... [the Thanksgiving Coffee Company] was born.

 

となるところ,これだと前が重たくなって格好が悪いので,[(長い)主語]部分を最後尾に移して:

 

 From ... was born [the Thanksgiving Coffee Company].

 

となった,ということだと思います。("..." = these humble beginnings)

 

 

RE:ke_さん

 

詳しいご解説ありがとうございます。

 

そのような構文があるのですね。
「文末重心」なのは分かりますが、主語がそのままそっくり後ろに移動するというのは驚きです。
屈折語時代の名残りなんでしょうか。

 

ありがとうございました。

 

 

 

 

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